ピロリ菌とは
ピロリ菌とは(Helicobacter pylori)とは、胃の粘膜に感染し、胃炎や、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどさまざまな病気を発症させる菌です。
一度感染すると多くの場合、除菌しない限り胃の中に棲み続けます。
ピロリ菌が胃に感染すると持続的な炎症を引き起こし、慢性的な胃粘膜の萎縮が進んでいきます。このため、胃酸の分泌が減少していき、消化不良や、胃の不快感などの症状が出現する方がいらっしゃいます。しかし、症状が全くない方も多くいらっしゃいます。
また、ピロリ菌の感染者は、未感染者に比べて胃がんのリスクが10倍以上と報告されているため、ピロリ菌の除菌が必要です。
検査方法
当院では4つの検査方法より、最適な検査をご案内させて頂いております。
胃の粘膜を2か所とり、専用の液とシートで調べます。
色が紫に変わったら陽性です。30分~1時間で結果がわかります。
検査薬服用前後の呼気を採って調べます。(所要時間約30分)
空腹時に来院して下さい。2日で結果が出ます。
自宅で専用の容器に便をとります。受付へ出していただいてから
約1週間で結果が出ます。
採血でピロリ菌の抗体を調べます。
ピロリ菌感染の有無の判定はできますが、除菌判定には向きません。
ピロリ菌の除菌方法
薬を服用することによりピロリ菌を退治する方法を「除菌療法」といいます。
ピロリ菌の除菌は、決まったお薬を一日2回、一週間内服して頂きます。
最初に行う1次除菌後、再度ピロリ菌検査を行います。約70~80%の方が除菌に成功します。
残念ながら1次除菌でピロリ菌が消えなかった方は、薬の種類を変えて、2次除菌を行います。
2次除菌まで行うことで、さらに90%以上の患者さまが除菌に成功します。
診断と治療の流れ
診察
胃の調子が悪くて気になる方は受診下さい。
胃カメラ
胃の状態を診察し、ピロリ菌がいるか調べます。
検査結果
ピロリ菌がいない場合
胃の状態、症状に応じた薬を処方します。
ピロリ菌の診断は完了です。
ピロリ菌がいる場合
一週間の除菌薬を服用して頂きます。
その後、ご来院頂き、副作用などが無いか診察し、次回再検査の説明を致します。
ピロリ菌再検査
1ヵ月以上経過したのちにピロリ菌が消えたかどうか調べます。
ピロリ菌がいなくなっても定期的な検査は大切
ピロリ菌が陰性であっても、胃がんを早期発見するためには、定期的な胃内視鏡検査が必要です。
特に除菌後の方は胃粘膜の萎縮は残るため、元々ピロリ菌がいない方に比べると、胃がんの発生頻度が高いことが考えられています。
また、胃がんの原因はピロリ菌だけでありません。ピロリ菌が陰性であっても、胃がんを早期の段階で見つけるためには、定期的な胃内視鏡検査が必要になります。
ピロリ菌検査の費用
1割負担の場合 | 3割負担の場合 |
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¥380~600前後 | ¥1,100~1,800前後 |
1割負担 |
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¥380~600前後 |
3割負担 |
¥1,100~1,800前後 |
ABC検診(胃がんリスク検査)
ABC検診とは、簡単に言えば胃がんになりやすいか、なりにくいかを判断する検査です。
「がんを見つける検査」ではありません。
胃がんは気になるけれど、バリウム検査や胃カメラはちょっと・・・
という方にお勧めです。
ABC検診では、血液検査で「ピロリ菌感染の有無」と、「胃粘膜萎縮の程度 (ペプシノゲン検査)」を調べ、両者の結果を組み合わせて、胃がんの危険度 (リスク)をA~Dの段階に判定します。
ただし、以下の方は、結果が正確に判断出来かねるため、ABC検診の対象外となります。
- 胃潰瘍、胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎など消化管疾患で治療中の方
- 胃切除をされた方
- 腎不全の方
- ピロリ菌除菌をした方
検査方法は血液検査のみです。予約なしでいつでも検査ができます。食事も関係ありません。
保険は適用されないため、自費診療となります。